日記

自然は過酷だ

4月に訪問した山梨県の山奥の自然観察園。 ビジターセンターでは、センター近くにかけた巣箱でのシジュウカラのつがいの生活が小屋の中に仕掛けたビデオカメラを通じて観察できるようになっていた。巣の中にはいくつかの卵があり、出入りするつがいのシジュ…

日本死の臨床研究会

今日高崎で開かれた「日本死の臨床研究会関東支部研究会」のテーマは、「子供の死、大人の死」。 いつもこの会に参加して、ターミナルケアに取り組んでいる方々の熱意に頭が下がるとともに、現場が抱える悩みの深さにおののく。 死期が近い子供たちが「家族…

次は自分だ

父を亡くした。 死の知らせを受けて家族を連れて慌ただしく大阪に戻り、通夜、告別式に臨んだのが1か月ほど前。長いこと寝たきりで、秋になってからは医師にもう長くないと聞かされていたので、覚悟はしていたし、亡くなる一週間ほど前には日帰りで大阪に戻…

日本死の臨床研究会年次総会に参加する

札幌で開催された2016年度の日本死の臨床研究会年次総会に参加した。会員になって初めての年次総会参加であったが、生と死について、2日間様々に考えを巡らせることができた。印象に残ったのは、 〇日本のホスピスのパイオニアとして、数千の看取りに立ち会…

日暮里

仕事を終えてから参加できる社会人向けの座禅道場があると聞いて行ってみた。初めて日暮里駅に降り、高層ビルがニョキニョキ建っている繁華街と反対側の、ちょっと裏ぶれた感じの南口改札を出て気がつくと広大な谷中霊園のど真ん中を歩いていた。山手線を降…

ステイーブ・ジョブズの言葉に苦悩する

週刊ダイヤモンドを読んでいて、紹介されていたジョブズの言葉に深く考え込んでしまった。彼は17歳から33年間、毎朝自分に問いかけていたという。「今日が人生最後の日だったら、自分はこのことをやりたいと思うか」「違う、という答えが続けば、その生き方…

とにかく眠い

1月に異動してから怒涛のような2か月。 やっと週末の2日間、一度も出勤することなく休むことが出来た。とは言え、自宅でずっと2日間仕事関係の書類に目を通していたが、とにかく眠い のである。1日3−4時間睡眠の日が多かったので、睡眠時間という意味…

わたしをを離さないで

全く更新しないまま年が明けてしまった。 気が付けば2月も終わり。1月1日付けで異動になり、新しい仕事に慣れるのが必死だった。加えて、超多忙で20日間、1日も休みがない、という激しい日々も通り越した。そんな中で、TBSドラマ「わたしを離さないで…

子供ホスピス

日比谷図書館で、作家の高橋源一郎氏を囲んで、氏の英国子供ホスピス見学体験を聞きながら、日本の子供ホスピスのあり方について考えを巡らせる。医療関係者を中心に15人くらいでのディスカッション。 「ここは死ぬ場所でなく、よりよく生きる場所」 「ここ…

不思議な夢

先日のこと。ある大学の記念パーティーに招待されていて、はがきで出席の予定と伝えていたが、式典前日風邪を引いてしまい、当日である翌日の日曜日のパーティー欠席を決意して床に就いた。週末ゆえ、私の欠席を伝えられないことが気がかりだった。その夜、…

親が今の私の年だったころ

私の親が50歳前後だったころ。母は校内暴力に荒れ狂う中学の学年主任だった。毎日のように深夜帰宅。ボロボロになって帰宅していた。翌朝、出勤したくない、と言いながら、でも行かないと教員がドミノたおしになる、同僚に迷惑はかけられない、と歯を食いし…

ほたるの里

2週間前になるが山梨県身延町一色の「ほたるの里」を訪ねた。 夜8時を過ぎると一斉にホタルが舞い始めた。 100メートルほどの川沿い、100匹以上はいるだろう。高く高く舞い登る者も。点いたり消えたり、一斉に同期しながら明滅する様は彼らの最期の煌めき。…

南信州は桃源郷

南信州、飯田に出かけた。阿智村の「花桃の里」は満開。 谷を埋め尽くす、紅白の花たち。 なぜ、「桜源郷」でなく「桃源郷」なのか、納得した。見るものを優しい気持ちにさせる。満蒙開拓平和記念館に行き、満州開拓の歴史に思いをはせる。満州から逃げる途…

明日にこの世が終わっても、私はリンゴの木を植える

私の好きな言葉だ。今やっていることを、明日自分の運命が尽きることが分かってもそのまま続けられるか、ということでもあり、裏返せば、今自分が携わっていることが、どれだけ大切なことなのか、という自らへの問いである。分別盛りが過ぎた49歳になっても…

正念場

何というか、仕事が最近無茶苦茶ハードである。 年度末というせいもあるが・・・・先週月曜は1時間、火曜は3時間・・・ これ、自宅で眠った時間。 往復の車内ではぐっすり寝込んでいるのだが、その時間を加えても足りない。昨日14日は出勤して仕事し、午…

夕陽を見ながら考えたこと

朝から持ち帰り仕事を自宅でこなしていたら、さすがに夕方には煮詰まり、小坪のカフェに夕焼けを見に行った。ツルベ落としのように落ちる冬の夕日を見ながら、毎日、夕日を見に犬を連れて近くの里山に出入りしていた中学生のころを不意に思い出した。将来に…

悼むということ

先日、仕事の関係でお世話になっている方のご家族に御不幸があり、葬儀に参列した。 亡くなられたのが大学を卒業されたばかりのお嬢様で、同級生たちの嗚咽が聞こえる、非常に悲しい葬儀であった。私が記憶している最初の葬儀は13歳のとき、私の祖父の葬儀…

親の背中

思春期を迎えた息子は生意気盛り。これが反抗期か、と思う。 考えてみれば、私にも反抗期はあった。が、表立って親に示すことはなかったと思う。私が高校生のころ、母は校内暴力の吹き荒れる中学校の管理職。いつもボロボロになりながら、朝早くから夜遅くま…

死を体験することで生の意味を知る旅

このブログの傾向からわかると思うのですが、実は若いころから死生学、というか、生と死について深く考えることが多く、特にホスピスについて深い関心を持ってきた。横浜市の公民館の講座で、ホスピスのボランティアのために開発されたプログラムがあったの…

今年もあとひと月

本当に月一ペースの日記になりつつある。明日から12月。 今月は学会で名古屋に行っただけで、大人しく鎌倉と東京の往復。本当は昨日と今日の京都の学会に出たかったが子どもの用事で叶わず。その代わり坐禅には2回参加した。何となく気持ちが中途半端であ…

このままでは月一回更新ベース

前回を1か月前に書いて更新しないまま11月。これでは月一回ペース。誰も見に来てくれなくなる恐れがあるので、せめてもう少しペースを増やさなければ。昨夜のNHKのSONGSは中島みゆき特集。「空と君のあいだ」「浅い眠り」そして「地上の星」。地…

そして10月

9月が丸々過ぎてしまったが、いろいろあった。まず船旅。 3連休を利用して大阪に帰ったが、東京から徳島まで船で行った。17時間の航海は本当にリフレッシュした。 特に、洋上から毎夏訪ねる白浜のホテルが見えたこと。 40年ここに通っているが洋上から眺める…

夏が終わる

この日記を書く暇もなく、気が付けば今日で8月も終わり。遂に夏休みを一日も取れないまま、夏が終わっていく。この夏は実にいろいろなことがあった。仕事の引き継ぎを兼ねて私費で週末に北海道入りした時には、飛行機が遅れて新千歳空港から先の交通機関が…

灯台もと暗しだった小坪

札幌から鎌倉に戻りあっと言う間に2カ月が過ぎようとしている。段ボール退治もようやく先週の3連休で方が付き、週末に少し余裕がでできた。前から気になっていた小坪のカフェにバスに乗って足を運んだ。お目当ての「南町テラス」は、小坪海岸からくねくね…

北海道生活に終止符

急な転勤となり、6月3日札幌を発ち、鎌倉に戻った。生活が激変した。転勤が決まってから、南富良野と芦別を訪ねた。特に芦別は「野のなななのか」のロケ地へ。さらに未乗の富良野線と留萌本線に乗った。宿は深川のユースホステルに。舎熊駅から高速バスで雄…

5分間のドラマ

今朝、いつものように大学の中で、構内で運行されているミニバスを待っていた。ふと足元の道路をみると、朝露で濡れる道路を、あろうことか10センチほどのミミズが 道路の中央に向かって進みだしていた。幅5メートルはある道路。ひっきりなしに通る自転車と…

小樽と大林映画の休日

朝、道路工事の音で目が覚める。昨夜は遅かったのでゆっくり寝ていたいと思ったが寝てるどころではない。 予定よりかなり早いが、札幌から小樽行の列車に飛び乗った。南小樽で下車。少し小樽硝子の店を探索。そのまま、外人坂を目指す。 住宅街に突然現れた…

何と切ないバイオリンの音色なのか

終電で帰宅すると、注文していた渡辺茂夫のCDが届いていた。渡辺茂夫は幻のバイオリニストとも呼ばれる。幼くして才能を認められた彼は1955年、14歳で米国のジュリアード音楽院に留学。ハイフェッツ、バーンスタインといった音楽家から激賞されたが精神的…

グルジア国立バレエを見に行く

今日は上野の東京文化会館。 グルジア国立バレエ、ニーナ・アナニアシビリの白鳥の湖である。彼女最後の日本公演と聞けば来ないわけにはいかない。白鳥の湖はこれまで20回ほど見たが、今回の最初はあまりにこれまでの演出と違うのでびっくりした。だが、プ…

ホタルの季節

夜10時過ぎ、鎌倉駅に降り立ち、遠くの雷鳴を聞きながら、雨の中、傘をさして家に向かってとぼとぼ歩いていた。 今日の仕事はなかなかしんどかったなあ、と思いながら小川沿いの道に差し掛かった時、何か光るものが! ホタルだった。たった一匹のホタルが、…