「お前はサラリーマンだろ」

10月28日の「下町ロケット」を見ていて、このセリフにしびれた。心臓発作の手術に付き合うため、経理部長としての大事な仕事を部下に任せて手術に付き合おうとした息子に対して、父が投げかけた言葉だ。

「お前はサラリーマンだろ。大事な仕事があるんだろ。お前がいる場所はここじゃない」

私にも同じ経験がある。急死した父の通夜と葬儀のため、1年かけて仲間と一緒に進めてきたプロジェクトを、一番大事な場面で一時戦線離脱した。

葬儀の朝、上司と部下たちが無事、難局を乗り切ってくれたことをメールで知り、声を上げて哭いたことがある。

サラリーマンの矜持。どんな仕事にも矜持がある。まげてはいけない節がある。

それを果たすことの大切さを改めて教えてくれた。