2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧
上下巻という決して短くないに本に詰め込まれた多くの「死」のかたち。「悼む人」と呼ばれる静人は、野宿をしながら全国の事件事故の現場を訪ね、死者への悼みを繰り返す、という人生を送っている。なぜこんな旅を続けているのか、本人にもわからない。 状況…
思うところがあり、30年ぶりに再読。がんに侵され、余命宣告された精神科教授である岩井寛氏に対して、死に至るまでの間ずっとインタビューを継続し、思考と精神的な状況、教授を苛む肉体的な変化を追った書。伴走する松岡正剛氏もまた、実験的な取組みに立…
「先生、この子治らないのなら家に連れて帰ります」 何度か小児医療の現場に関わったことがある。また、死の臨床研究会の参加等を通じて自分なりに「ホスピス」の在り方を学んできた。ホスピスは終末期医療の文脈では、ほどなくして亡くなる方のための施設と…
「帰りたいのは場所でなく時間」 医学史を軸に歴史や人生に関する味わい深い洞察を示してくれる著者が好きで何冊も読んできたが、今回も期待通り素晴らしいエッセイ集だった。特に気に入ったのが、「帰りたい"原時間"」老人ホームに入っていた認知症のご婦人…