やっぱり尾道

yula3552007-10-20


 先週土曜日は広島で仕事だった。
 大学で国際会議。英語での仕事はさすがにアタマが疲れるが、海外の教育事情をしっかり取材でき、収穫も多い。戻ってレポートのしがいのある会議であった。学食でボリュームのある昼飯を食べていると学生に戻ったような妙な気分に。

 会議は白熱し、終了時間が大幅にずれ込んだ。今日中に東京に戻るぎりぎりのタイミング。戻れない事はなかったが、ええい、どうせ週末、もう1泊して行こう、それならやっぱり・・・ということで尾道のホテルに宿をとった(もちろん追加の1泊は自腹)。

3回目の尾道

新尾道からタクシーでホテルに向かい、海に面した部屋に入ると汐の香りがした。

タクシーの運転手に聞いた尾道ラーメンの店に。ただ、食後、どっと疲れが出てホテルに戻ってマッサージをしてもらい、早々に眠った。風邪気味か、と悪い予感。

翌朝、6時起床。マッサージのせいか、風邪の気配は吹っ飛んでいる。しらじらと明けてくる空。鏡のように静かな尾道水道

朝食後、荷物を宿にあずけて歩きだした。まず浄土寺石田ひかり中嶋朋子主演の大林監督映画「ふたり」の音楽会のシーンを撮影した本堂と庭を見学する。なんと、映画を撮影した本堂は国宝だった!!

その後、「ふたり」のファンにとっては聖地とも言える「事故現場」のシーン(中嶋朋子演じる千津子が事故死する現場)をたずねて坂の道をさまよう。どこからか聞こえてくる「いい年をして・・・」とあきれる声を振り切りつつ、歩き回るうち、現場を発見。ただ、現場は普通の地元住民の家と生活道路なので、驚かせないよう、控えめにシャッターを切る。それで自宅にフォトメールすると、妻から「とうとう見つけたのね、おめでとう!」との祝メールをもらう。

そのまま細い山道を蜘蛛の巣をかきわけつつ、浄土寺展望台へ。360度の大パノラマ。居合わせた地元のおじさんに記念写真をとってもらう。

 その後、尾道駅でまたラーメンを食べて、今度は、富田靖子主演の「さびしんぼう」の舞台となった西願寺に。「思い出ノート」に書き込んだりして、しばし境内で感慨にふける。あの辺に富田演じる「さびしんぼう」が座っていたな、とか、寺に登る階段を見ながら、ここがラストシーンの場所だな、とか。やっぱり「エエ年して・・・」という声が聞こえてしまう。うるさい!! 

 そのまま歩いて、狭い路地を相当蜘蛛の巣がアタマにひっかけながら映画「ふたり」で石田と中嶋が姉妹として暮らしていた家を探すが、こちらはとうとう見つからず。まあいいか。次回の楽しみだ。
 
 斜面にあるお気に入りの喫茶「帆雨亭」で志賀直哉の本に囲まれ、眼下の海と坂の街並みをみながら紅茶でほっと一息。この店はいつも本当に落ち着く。

 その後、御袖天満宮尾道文学館など映画ゆかりの場所をめぐり、広島風お好み焼きまで食べて、飛行機で帰ってきた。

 やっぱり尾道。何度行ってもいい街だ。一生に一度でいいから、海を見下ろすこの斜面の家に住んでみたいものだ。