激動のひと月

8月1日、札幌に転勤した。
引越しを伴う国内転勤、しかも単身赴任というダブルパンチだったが、これまで2回のモスクワへのお引越しは家族全員で、しかも家も空にするような大騒動だったので、それに比べれば単身赴任パックで押し入れ一つ分くらいの荷造りだけで住んだ今回はずいぶん楽だったのかも。

新しい家の掃除やセットアップのために来ていた妻が帰ってしまうと、がらんとした家の中に、新しい畳や絨毯のにおいだけが鼻につく。

それでも今日は憧れだった小樽に出かけた。
あいにくの雨。

札幌で住居は見つけたけれど、あわよくばこの街に引っ越してもいいかな、と思っていた。

一日バス乗車券を購入し、くまなく走り回ったが結果は少しがっかり。

まず感じたのは、小樽は鎌倉と同じ、「観光地」なのだ、ということ。人力車が走り回り、観光客目当ての店が目白押し、客を呼び込むチラシをまいている店もある。

それから、そう。キリッとしたユリカモメに出逢った運河も悪くないが、それにしても歴史ある建物の背後に屹立する現代マンション。景観が台無しだ。

というわけで、雨がひどかったせいもあって、札幌に予定より早く帰ってきた。

小樽に住みたかったなあ、という想いも吹っ切れたし、札幌に腰を落ち着けて頑張ってみよう。

新しい家は函館本線に近い。

時折「ピィッ」と鳴る、電気機関車の音も悪くないな、と思い始めた。