樺戸集治監にて

連休に北海道を訪ねた。

北海道開拓の先駆けとなり、道路開削や農地開拓の先兵となった、北海道最初の監獄、樺戸集治監は月形町の博物館に。神風連の乱など不平士族たちも多く囚人としてこの地に送られてきた。入り口の階段は囚人たちの足にはめ込まれた拘束具で中央がすり減り、谷のようになっていて凄まじい。

ところで、典獄(所長)の執務室に入ったとき、何故か胸が熱くなった。囚人とともに人跡未踏の地に分け入り、刑務所を運営する責任者として想像を絶する労苦があったはず。48歳、過労で早世した初代典獄、月形潔の名は、月形町という地名になった。

町はずれに刑死した明治期の囚人たちの無縁墓が。簡素だが草も刈られ、よく手入れされている。何より、囚人墓地が町民墓地の隣にある、という事実が、町民の方々が囚人たちを町の開拓の先達として敬い、温かく接しているのだなあと感じる