毛利甚八「家栽の人から君への遺言」を読む

私の大好きな漫画「家栽の人」の作家毛利甚八氏。

先日がんとの闘病の結果亡くなったが、彼の遺書ともいえるのが本書。
佐世保の同級生少女殺人事件を起こした少女への手紙という形式の中で、生と死の意味について、その意味を切々と説いている。

氏が離島で魚を追っているときに気づいた、「人間の生の意味は、他者との関係の中にこそある」、という考えは、私にとっても救いのように感じる。

犯罪被害者と加害者には永遠に接点はないのだろうか、両者にとって救済とは何か、考えさせられる。

人間の温かさについて教えてくれた氏の冥福を祈りたい。