シン・ゴジラ

周りの友人、同僚たちが口を揃えて勧めるので、遂に観てきた。評判通り、良い映画だった。

舌を巻いたのは、役所の仕事のやり方について、本当によく調べている、ということだ。

特に官邸の雰囲気。私は観終わった後、きっと官邸でロケしたのだろうと思った。

そうではないと聞いて、本当に驚いた。

広大なオペレーションルーム、各省のブースがある対策本部の雰囲気、そして、各省毎に違う防災服の色も性格、さらには総理執務室のソファーの色柄まで。よく真似したものだ。

これらの情景は、同僚と同じように、私を3.11に引き戻すのに充分だった。

日本の危機管理がいかに危ういものかは、3.11で思い知ったはずなのに、今同じような大災害が起こったときにはそのレッスンは活かされないだろう。日本人がこの間やってきたことは個人の責任追及が主眼であって、制度改革でない。

映画ではゴジラを倒した、という達成感が味わえた。ただ、それとともに私が感じた、苦しかった3.11対応の日々と、その後の徒労感。3.11はまだ終わっていないのだから。