理科教育、実験、東京タワー

今日は午前中、東京理科大学での理科教育のシンポジウムに出席した。理科教育については名だたる専門家が揃っての議論で非常に分かりやすくためになったが、質疑応答でフロアの新聞記者から、「理科の授業時間を増えることを喜んでばかりいていいのか。特定科目のエゴではなく、全体のバランスで議論して欲しい。」との質問が出て、ピリッと締まった会合になった。確かにそのとおり、子供たちが学ぶべきものはたくさんある。英語しかり、農業体験しかり、読解力しかり。理科だけを見ていては、一般の支持は得られないのだ、ということを改めて痛感した。

午後は学習院大学へ。息子の磁石実験教室に親の私も参加した。
学会有志がポランティアで企画してくれたもので、息子ともども大いに磁石の不思議を楽しんだ。このような機会は貴重だ。小学生が一線の研究者から講義をうけることなど、まずない。親としても、「研究者」という仕事に開眼してくれるといいな、という下心もあったわけだがヤツに通じたかどうか。

その後は東京タワーへ。私は15年ぶり。妻子は初めてである。
最近のブームもあってか、混み合っていたが、高いところから関東平野を見下ろすのは気分がいい。妻も珍しく興奮していた。残念ながら富士山は見えなかったが・・・三浦半島ははるか遠く、あんなところからここまで毎日通勤しているのか、と思うと複雑な心境になった。

ただ、それにしても、係員の対応がソ連チックなのは15年前から変わらずである。
特に、大展望台から特別展望台にあがるところの係員の対応がひどい。並んでいる客の間に間隔があいてしまったとき、係のオネエサマは交通整理のおまわりさんのようにせわしなく手招きして遅れている客をせきたてる。チケット売り場の女性は、私がチケットを買おうとするとにこりともせずに「ただいまエレベーターホールが込み合っておりますので、しばらくお待ち下さい」という札を窓口に突き立てた。おお、この対応、ロシアの役所を思い出すぞ。8年ぶりだぜ、なんて懐かしんでもいられない。ここはニッポンだ。いまどき、税務署でもこんな対応はないぞ。

東京タワーは昭和30ー40年代の象徴だが、係員の接客態度もその時代のもので、ワザとやってる?と勘ぐりたくなった。(ただ、カッカきているのは私だけで妻子は純粋にはしゃいでいた)

まあ黙っていても客が集まるからだろうが、困ったものだ。