子どもの運動会

今日は息子の運動会であったが、わざわざ関西から母が応援に夜行バスで駆けつけてくれた。しかも明日は実家で母と同居している私の弟の娘の運動会があるということで、泊まらずにまた夜行バスで帰って行った。夜行バス連泊など、若い時ならいざ知らず、私ですらできない荒業を67歳の母がこなしてしまうのは本当に驚くが、本当に大丈夫なのか、心配でもある。
息子はギャラリーが多く大満足であったが。徒競走で一等をとって上得意。夕食は彼の念願の宅配ピザだった。食中毒の一件以来、脂っこいものが食べられない自分には少々応えた。
 夜行バスのバス停まで送りがてら、母が「仕事は大変なのか」と声をかけてきた。「大変だ」と答えつつ、「でも40歳代は勝負時だろ。がんばらねば」と少々気負いと虚勢の入り混じった気持ちで言葉を継いだ。
 「自分もそうだった。40歳代は本当に無我夢中だった。でもそれを乗り越えていなければ今の自分はなかったと思う。」母は静かにそういうと、「でも大変だね」と言った。
 駅前のバス停に着くと、すでにバスが停まっていた。発車までまだ5分ほどあったが、母は早々にバスに乗り込んだ。「じゃあ、先に帰るから」。バスに乗り込む母にそう声をかけたが、何となくその場を離れがたく、自転車にまたがったまま、じっと発車を待っていた。
外でタバコをふかしていた運転手に聞くと、今日は満席らしい。運転手が時計を見やりバスに乗り込むと扉が閉まり、ほどなく発車していった。母が車中から小さく手を振るのが見えた。

大阪まで長いな、と思った。
週明けからの仕事も大変だなあ、と思った。