大学での講義

 ここ数ヶ月、目下最大の懸案であった大学での講義が終わった。これまで大学で話したことは何度かある。しかしそれは学会発表だったり、シンポジウムでのシンポジストであったり、資格取得に特化した講義だったり、ともかく限られた関係者を相手に話すことがもっぱらで、今回のように一般(しかも無邪気な学生ではなく百戦錬磨の社会人)を相手に、学問的テイストで講義(どちらかといえばこれまでは「講演」)するのは初めての経験で、いままでとは違って相当真剣に準備した。おかげで九月に2回もあった3連休も、出勤と講義準備で潰れてしまい、週末だけ相手してくれる父との野球を楽しみにしていた息子にとっては恨みのイベントであったはずである。
 自己採点で60点。今から思えば、話す順番を間違えた、とか、ここはこういえばもっと良かった、などと反省しきり。もしかしたら一番ためになったのは私自身かもしれない。
 講義後に回収したアンケートをドキドキしながら読んだ。おおむね無難な評だが、中には厳しいコメントもあり、まあ、全員がこぞってマルなどということはありえないし、こういう反応も当然、と思いつつ、帰りの電車の中で見えない相手に向かって「誤解ですよ、私としてはね・・・」などと独り空しい反論を試みたりした。
 ともかく、やれやれ。後で採点作業もあるが、少し今度の3連休は息子と自分へのご褒美をあげることにするか。