安い不動産にはご注意

地元の新聞の折込不動産広告にはマメに目を通すようにしているが、今日の新聞に、駅から徒歩圏内でえらく安い物件があった。住所からして日当たりの良い閑静な住宅地。ありえない額・・・・と思ってよく見ると、「心理的瑕疵あり」の文字が。

大学のとき習った民法の知識では、「瑕疵(かし)」とは欠陥や損害を意味する言葉で、不動産で瑕疵のある物件といえば、危険な崖の上下にあるとか、地形上都市ガスを引けないとか、であるはず。

心理的な欠陥とは何?

ハハーンと思ってネットで調べてみると、やはり、いわゆる「ワケ有り」物件、ということで、事件、事故等と関係した物件だそうだ。

ただ、それ以外にも、お隣が暴力団員とか、「騒音おばさん」のような特異なキャラクターやクレイマーだったりすると、これも「心理的瑕疵」ということで、売主が買主に告知する義務があるとか。いわゆるユーレイが出る物件であることを告知しないで売って裁判になった例もあるらしい。お化けがでる、という風評をどう裁くか、裁判所も悩んだだろうな。

普通は「心理的瑕疵」があれば不動産価格も下がるのだろう。

そうか、お隣がクレイマーというのも不動産価格が下がる立派な理由になるわけだ、ウチのところはそうでなくて良かったよ、と大変勉強になった。

ただ、歴史のある町はワケあり物件だらけだろう。

先日、鎌倉市内のレストランでランチを食べていたら、地元民らしい老婦人同士が横で会話していたのを聞いてたまげた。
「この前ウチに泊まりに来た親戚が、夜中に真っ青になって「落ち武者が出た」と言ってきたので、「またなのね」と言ってやったわ。もう慣れちゃったし」。このご婦人はそう言いながら、おいしそうにスパゲッティーを平らげていた。

鎌倉人の神経恐るべし。この御婦人のお宅も「心理的瑕疵」?

でも私はそんな「瑕疵」あるところに住むのは嫌だな。気持ちの問題かもしれないが。

安い不動産にはご注意を