ドラマ「外事警察」にハマる

モスクワでも毎週土曜日に放送されているNHKの「外事警察」にハマっている。

こんなに面白いサスペンスドラマは久しぶりだ。

ドラマのような派手さはないにしても、実際の公安警察の活動にも、捜査機密費で運営される「協力者」がいて、盗聴、尾行、潜入等あらゆる手立てがあるのだろう、と思う。

主役の渡部篤郎演じる警視庁外事課の住本主任は、公安警察職員だった父を活動中に毒殺され、それを殉職でなく病死扱いされた悔しさを胸に秘めている。「テロ防止のために警察が十分に活動できる法整備を」と叫ぶ彼の思いは届くのか。

治安維持と人権は長い間、拮抗関係にあったし、これからも容易に解決する問題ではないが、法的利益衡量の観点からは人権一辺倒いわけではない。

テロ防止のために必要なら、適正な手続きによる情報収集活動は甘受すべきだろう。決して快いわけではないが、警察が守るべき最も大事な利益は、市民が当たり前の平穏な日常生活を過ごせることであるから。

市民が警察に安心してテロ防止活動を託すには、警察が市民に信頼されているか、という点も大きい。警察の腐敗が日常茶飯事のこととして取りざたされる国では、それは望むべくもないからである。

こんな難しいテーマを考えるきっかけを与えてくれたNHKに敬意を表したい。

今日も土曜日。今夜が楽しみだ。もうだいぶ物語が進んでいるので、始めてみる方はこれで予習してから。
http://www.nhk.or.jp/dodra/gaiji/