アマルフィ





ウフィツィで見たダヴィンチなどにも触れたいが先を急ごう。

雨の中、レンタカーでフィレンツェを出発し、シエナに向かう。町ごと中世そのまんまというシエナで、モスクワ以外では初めてとなる海外での大晦日と新年。カンポ広場でのカウントダウン、そして打ちあがる花火はなかなか感動的だった。

さて、シエナを出て、一路高速道路を南下し、アマルフィに向かう。

一日で600キロ以上走るのは日本でもほとんど経験したことがなかったので不安だった。何回も道に迷ったが、何とか、夕方にはアマルフィに到着することができた。

日光のいろは坂を何倍もすごくしたような山越えの後、眼下に飛び込んできた青い地中海と、崖にへばりついたように海から山の上まで延びている石造りの家々を見たときの感動は言葉に言い表せない。


なぜアマルフィか。日本では昨夏映画が公開されたそうだが、私の場合はyoutubeでこんなものを発見し、感動したのがきっかけ。題して「アマルフィの郵便配達員」。
こんな人たちが暮らしている町を是非訪ねたくなった。

大聖堂の鐘の音が目の前で聞こえる小さなホテルにチェックイン。翌朝早速、海岸からくねくね山の上まで続いている小さな道の散歩にチャレンジする。

驚いたのは、道で出会う村の人たちがみんな、「チャオ!」と挨拶してくれること。

上から声がかかったので見上げると、おじいさんが2階から、朝のコーヒータイムだろう、コーヒーカップを持ち上げて挨拶してくれていた。

ベランダで洗濯物を干していたおばさんが道に落とした洗濯バサミを拾ってあげて感謝されたり、楽しい散歩。といっても全部昇り階段だから体力的にはきつい、「ようこんなところに住んでるわ」と思わず故郷の大阪弁でつぶやいてしまう。

中世ではベネチアジェノバと覇を競ったほどの海洋国家だったアマルフィ

今では小さな村に不釣り合いな巨大な大聖堂だけが、その名残を伝える、落ち着いた小さな、そして美しい村だった。