天空の庭園・・・ラベッロ

アマルフィのバス停から少し小さなバスに乗り、アマルフィの北、山の上(崖の上)の村ラベッロに向かう。

目も眩むような断崖絶壁の道、すれ違いの度にひやひやしながらバスに揺られること30分、ラベッロに到着した。

ここの二つの庭園、ヴィラ・ルーフォロとヴィラ・チンプローネを夕方までかけてじっくり見学した。

どちらも、崖上にせり出す様に設けられた展望台からの海の眺めが素晴らしい。

双方のヴィラの間は1キロぐらい離れていて、午前中、ルーフォロを見て、野良猫をからかいながらチンプローネまで歩く。

途中、ホテルを兼ねたカフェで昼食をとった。

午後の暖かい陽が差し込むテラス席。タイスの瞑想曲が流れている。

眼下に広がる雄大な地中海をバックに、花が美しく飾られた隣の席を眺めながらぼんやりしていると、私のいつもの悪い癖で、いつの間にか意識だけが時空を超えた旅に出てしまう。

いつか見たことがある風景のような気がする、どこで会ったのかな、そしてきっとまた会えるだろう・・・そんな気持ちがないまぜになった感覚が心地よい。

お酒は入ってないのだけれど。

食後のカプチーノが運ばれてきて、はっと我に返った。


聞けばこのすぐ近くで、日本人の若女将がいる家族経営のホテルがあるという。ホテルオーナーの若旦那と留学先のロンドンで知り合い、ここに嫁がれたそうだ。

もちろんいいことばかりではないだろうが、こんなところで暮らせるとは何とも羨ましい。