王女サランドゥ・・・ハフパット修道院
サナヒン修道院の隣町。川底近くの道を走っていると両側に見上げるようなすごい崖が現れた。
運転手が、その崖の切れ目に入っていく道にウインカーを出して右折、そしてどんどん登っていく。
途中、山羊の行列に足止めを食らう。
登りきったところに、旧ソ連の典型的な鉄筋コンクリート製のアパートが立ち並ぶ大きな町が。
そこを通り過ぎて、まださらにずんずん登っていくと目指す修道院はあった。
13世紀のハフパット修道院。
壁に2人の王子の像、そして、庭に王女サランドゥの墓。
これらが何者なのか、どんなエピソードがあるのか、ガイドに聞きそびれた。
ただ、数百年前のこの地の王の娘サランドゥのあまりにも素朴な墓石を見ていると、何故か心が和んだ。たわわに実ったブドウをおいしそうに食している王女の図。墓石を見て心が和むというのも、変な話だが。
ここもサナヒンと同様、墓石がびっしりと床に敷きつめられている。
修道院を出て、庭からさっき登ってきた麓からの道を眺めていると奇妙な既視感に襲われた。
この感じ、遠くの崖、崖の麓を流れる川、林、平原・・・
そうだ、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」の絵の背景の景色によく似ているのだ。
まさかダヴィンチがここに来たわけではなかろうが、そう考えると楽しい。