涙したサイエンスカフェ

先週、サイエンスカフェなる催しに初めて参加した。

科学者とお茶を飲みながら研究について楽しく語る会。

鳥類学者の先生が語る話は本当に楽しくて、特に、大学院生がシジュウカラからモズとか自分の研究対象の鳥を追いかけて何日も野原で野宿する話や、その先生自身、同じ種類の鳥でも20羽くらいの鳴き声を聞き分けられる(鳥のなき声にもそれぞれ個性があるようだ)とか。

シジュウカラの親鳥が、天敵が来た時にヒナに向かって発する鳴き声は、天敵ごとに違うのだそうだ。

あたかも違う言葉のように。

カラスが飛来した時に親鳥が巣の外から鳴くと、巣の中のヒナは一斉に「伏せ」のポーズをとるが、蛇が来た時に鳴くと、一斉に巣から飛び出して逃げるそうだ。カラスは巣に入って来られないが、蛇は入ってくるから。

ちゃんと、「伏せ!」とか、「早く巣から出な!」とか言い換えているんだね。

話が終わって質問タイム。誰かが手を挙げた。

近所の公園で飼われているオウムの話なんですが、ずっと「ババア」と言ってたのに、最近言わなくなったんです。何でだろう、と思っていたら、そのオウムに「ババア」って教えていたおじさんが最近亡くなって公園に来なくなったようなんです。オウムって人を選んでしゃべってるんですか?

先生はあっさり、「そうですね。ちゃんと人を選んでますよ」と言って、同僚研究者が最近書いた、「アレックスと私」という本を紹介してくれた。

鳥類学者、アイリーン博士とオウムのアレックスの話。

研究者と研究対象の関係だったが、最後は人間も越えるような強い結びつきが生まれたという。

アレックスは31年の生涯の閉じ際、博士に「I love you , Good by」
と言ったそうだ。

涙が出てきた。

この本、本当に読んだら泣くやろなあ。