伝わらない思い
震災復興対策に取り組んで2ヶ月半。
命を擦り減らすような日々だったが、成果はいかに。
原子力問題に関しては、現地の方々の不安解消が最も重要だが、これに関しては政府の対応はとても及第点がとれる状況ではないだろう。
それにしても、いったいこの国は何なのだろう。
些細な点を針小棒大にとりあげ、不安をあおる学者。
それを垂れ流すマスコミ。
朝から晩までこぶしを振り上げ続ける野党。
これらに対する対応に手いっぱいで、新しい対策をとるいとまもない政府は、長く沈黙したままだ。
国内に敵はいないはずだ。
政府・与党も野党もマスコミも、地元のために、という思いは同じではないのか。
震災対策本部の前から、隣のビルまで渡り廊下が伸びている。
空中回廊のようだ。
足元から見える、道路、人、商店街。
震災対策本部に閉じ込められている我々にとって、社会との接点のような渡り廊下。
5月の青空を見上げると、鳥の一群が飛んでいた。