同窓会

昨日は、高校の時のクラブの同窓会だった。大阪の高校だったので東京在住者だけの集まりだが、ずっと楽しみだった。

用事があって少し遅れて秋葉原の会場に着くと、見知らぬ中年男性がこっちを見て手を振っている。なんでこのオッサン、オレに手を振っているのか、と思ってよく見ると先輩だった。いやいや失礼。でも30年振りだから仕方がない。私も変わっていないつもりだったが、顧問の先生かと思った、と冷やかされた。

それにしても、あっと言う間に昔の時間に戻れるのは同窓会ならではだろう。高校生だった頃は、45歳の自分は全く想像もできなかったが、それでもみんな外見はともかく、人柄は全く変わっていないのが嬉しい。私も含めて、自分の高校生当時の父親、母親の年齢になっていること自体、信じられない気がするが。

昨年胃がんで亡くなったクラブの仲間について、思い出話をしながら悼む。お悔やみに自宅に訪れたら、母親に「つらいから来ないでほしい」とほのめかされたとのことだ。同じ高校生仲間だったのに、30年後に生きている者と逝った者に別れてしまっているのは本当に理不尽だ。ただ、その差を隔てているのは、運という、何とも心許ないものだ。それでも生きているからこそ、こうして会える、という喜びを改めてかみしめる。

青春を共にした者たちならではの、何とも心地よい時間だった。


帰りの電車の中でふと思い浮かんだ夢想。

もし今の意識のまま、30年前に時計を戻すことができるなら、今度はどんな人生を選ぶだろうか。