海に行く
土曜日は出勤し、たまった仕事を片付けた。
そして日曜日、朝から家族でホームセンターに出かけ、家庭菜園の道具を揃えた。
午後、自室で仕事の書類に目を通し、ふと目を上げると、まさに夏の空。
こんな空を見ると、渇きのようなものを覚える。
高校時代、カッパと呼ばれていた、水泳部の血が、こんな時に騒ぎ出す。
気が付くとママチャリにまたがり、海に向かっていた。
既に水着。
10分ほどで材木座海岸に着くと自転車を置き、
浜辺にバスタオルの入ったナップサックとサンダルを放り投げて、
じゃぶじゃぶ海に入って行った。
少々波高し。
それでも海の上で仰向けになり、クラゲのように波間にぷかぷか漂っていると、海と自分と空がつながっているような、そんな爽快な気分になる。
30分ほどで海からあがり、濡れた水着のまま自転車に。
自宅から自宅までほぼ1時間。
それでもかなり日焼けしてしまった。
「海に行ってきました」
と誇らしげに近所の人に言うと、「もともと鎌倉に住んでいる人は鎌倉で泳がないですよ。」と笑われた。
そうか、鎌倉で泳いでいるのは東京の人なんだ。
それでもいい。水着のままで家から海に行って帰って来られる今の生活は最高にいいと思う。