30年前に戻る

高校の学年同窓会が開かれることになって、飛行機で大阪を往復してきた。

私の学年は4年毎、オリンピック開催年に学年全体の同窓会を開く決まり。

私は前回同窓会には出られなかったので、8年ぶりの出席になる。

年末年始に帰省したばかりで、東京から大阪まで往復するのは大変だなあと思ったが、4年後出席できるとは限らない。出られるときは多少無理してでも行って、旧交を温めてこよう、と思ったのだ。

ちょっと怖かった。8年前はまだみんな30代。しかし、今は中年真っ盛り。
みんな見事に大阪のエエおっさん、おばちゃんになっているはずだ。

あのときのクラスのあの子は来てるだろうか、と思うと、ワクワクもするし、良い夢を見ている途中でたたき起こされるような怖さもある。

そして私自身も。

水泳で鍛えた引き締まった逆三角形の体格が自慢だった当時の面影はとうに消え失せた。幸い、頭髪だけはしっかりしているが、おっちゃん丸出しのウエスト・・・前回ですら何人かのクラスメートに、私と気づいてもらえなかったのだ。


結果は。

おっちゃん、おばちゃんになっても青春時代の思い出を共有した友人たちと過ごす時間はまた格別だった。

名刺を配ったり、出世を自慢したりする輩もない。

当時のあだ名でお互い呼びあうことが何とも快い。


参加者が持参した懐かしい写真がスクリーンに映される。

同級生で親友だった彼の写真も。昨年、逝ってしまったが。

「86歳になりました。毎日元気で悠々自適の楽しい日々です。でも4年後に会えるかどうかはわかりませんなあ」と、冗談とも本音ともつかない担任の先生の挨拶でお開きになった。


卒業して30年というが信じられない。

でも心は30年経っても変わらないんだなあ、と思えるのが同窓会の良いところか。