ガマの写真展を観に行く
最近は週末必ず休日出勤、な毎日(今日も)であるが、昨日はその合間を縫って相模原のギャラリーに江成常夫氏の写真展「GAMA〜霊魂が宿る聖地」に行ってきた。
毎日新聞の案内記事を片手に電車に揺られること一時間、相模原の駅に着いて道順を聞こうとギャラリーに電話したがつながらない。
もしかして今日は休み?
悪い予感がする。
とりあえず持ってきた、住所からグーグル検索した地図を頼りにバスに乗り、適当なバス停で降り、迷いながら何とかギャラリーに着いた。
呼び鈴を押すが返事がない。
ドアを押すと開いたので、恐る恐る足を踏み入れる。
階段を上っていくとギャラリーの入り口。
真っ暗だったので電気をつけると、壁にかかった江成氏の写真がずらっと姿を現した。
こんな感じでこのまま見ていていいのか?と不安になりながら、それでも歩を進めた。
ガマとは沖縄に多く存在する自然洞窟だが、沖縄戦では住民や日本軍兵士の防空壕がわりに身をひそめる場所となった。
ここで多くの悲劇が起った。日本軍に追い出された住民、外の米兵に鳴き声が聞こえないように、と殺された赤ん坊。
米兵の火炎放射で、兵士や住民が壕ごと焼き殺されたところもある。
それら多くの壕が、戦争の傷跡を残しながら、ひっそりと息づいていた。火炎放射の影響だろうか、真っ黒になっている壕も多い。
沖縄県庁壕の写真もあった。沖縄戦最後の島田叡知事らがここで最後の県政を執っていたところだ。足元は泥だらけだ。こんなひどい場所で執務しながら、最後まで県民を護って果てた知事を思うと、やり切れない気持ちになる。
元のようにギャラリーの電気を全部消して出てきた。
記帳だけはしておいた。泥棒とは違うぞ、という意味もある。
当分バスが来そうにないので相模原駅まで歩いて戻る。
泣きだしそうな雲の合間から、少し陽が射していた。