ホタルの季節

夜10時過ぎ、鎌倉駅に降り立ち、遠くの雷鳴を聞きながら、雨の中、傘をさして家に向かってとぼとぼ歩いていた。
今日の仕事はなかなかしんどかったなあ、と思いながら小川沿いの道に差し掛かった時、何か光るものが! 

ホタルだった。

たった一匹のホタルが、立ち止まった私の周りを、淡い光を放ちながら頭上、足元、胸先とぐるぐる舞うように飛翔し、こっちの様子を窺うように枝に止まって小休止。

疲れが吹っ飛ぶ。

鎌倉はつかの間のホタルの季節の到来だ。