雪・雪・雪

1月6日朝、とことんまで鉄道にこだわった私は、東京駅から東北新幹線、青森で夜行寝台急行「はまなす」と乗り継ぎ、朝6時に札幌駅に降り立った。

雪・雪・雪。どこまでも雪。

山には緑すら多く見えていた鎌倉から札幌に来ると、北国の厳しさを実感する。

年末年始、毎夜のように夢を見た。どの夢も鮮明だった。が、長年、夢を記録していた私の大事な大事な夢日記は、この年末年始の移動中、紛失してしまった!!!

がっくり、である。旅に持っていくべきではなかった、と思ってもあとの祭り。

今年は年男。あと2年で50に手が届く。

子どもの頃、50才手前のおじさんは本当にオトナそのものであった。自分がその年になってみると、何と心許ないものか。

20年前にお仕えした上司が退職する、ということで、昔の仲間が集まった。中には20年振りで会う人も。

元上司は、「自分の人生いろいろあったが、20年たってもこのように退職を祝って集まってくれる仲間に巡り合えたことは人生の宝です」と挨拶していた。私も同感である。

この上司と一緒に仕事をしていた時代は大変な時代であった。彼が秘かに辞表を懐に仕事をしていたことも知っている。訳知り顔で彼を批判していた人も知っている。

私たちは、当事者として批判を受け止め、寝食を忘れて誠実に対処した。その強い連帯感、同じ苦難の時間を共有した仲間たちの連帯感は何物にも代えがたい。人生の価値とは、このような仲間に巡り合えたことを言うのだろう。

そのような関係は、安逸な、マイペースでの楽な仕事の関係からは生まれなかった。互いに苦労し、困難な時間を乗り越えたからこそ得られたものである。その意味で、苦労した者たちだけに与えられるご褒美のようなものだろう。

いまだからこそそれがわかるのだ。

その意味で、今の自分はあまりに安穏とし過ぎているのかもしれない。