永遠の0 百田尚樹著

太平洋戦争の実態について、小説であるが、史実に基づいた臨場感のある丹念な描写。

活劇映画を見ているような、零戦乗りたちの生き生きとした戦いぶり。

生死をかけて戦った戦士たちに対する、敵と味方を越えた敬意

さらには、もう一歩のところで弱気になる、日本の司令官レベルの不甲斐なさ

など。

現代に生きるニートの若者が、特攻で26歳で散った自分の祖父の面影を追って、かつての戦友たちを訪ね歩く。

その中で浮かび上がってくる、「命をどこまでも大切にした」若き祖父の実像。

著者は放送作家なので、ツボを押さえた泣かせ所満載で、電車の中ではとても読めない。が、ぐいぐい引き込まれる。同時に、太平洋戦争がどんな戦争だったのかもよく分かる。

これだけ多大な犠牲を払って、日本は何を学んだのだろうか、と思わせる本。