夏休み
今年の夏休み。有給休暇を一日だけ取って週末とつないで、母と弟一家と和歌山・白浜に2泊した。
1泊目は、市江崎の旅館。初めての宿だが、崖っぷちに建っていて、全室オーシャンビュー。風呂からも絶景の海を眺めながら入浴できる。旅館の下は紺碧の海。
こんなところに何日かこもって、小説でも書けたらどんなにいいだろうか。
もう1泊はリパージュスパ日置川で。こちらは私が小学校2年から通い続けた宿。建て替えがあったり、海外勤務とかで行けない夏があったりしたが、足かけ40年近く通っているところ。
弟一家に子どもが生まれたりして、毎年参加するメンバーが増えてきたのだが、今年初めて父が参加を断念した。寄る年波には勝てないとはいえ、寂しさが募る。
息子も来年は高校受験で、来れるかどうかわからない。
時は巡っていく。
そう考えると、時間というものは、その時だけの、本当にかけがえのないものだと思う。
それにしても、今年の夏もこうして過ぎて行こうとしているのがたまらなく寂しい。
東京に帰るために、紀勢本線、椿駅のホームで列車を待ちながら、そう思った。
ツクツクボウシが鳴いている。
私にとって、小さいころから夏は特別の季節だった。
40代半ばになってもそれは変わらない。
蝉の鳴き声、
田んぼのイネの青さ、
汗のにおい、
入道雲を伴った空の様子
そして毎年来る白浜の海の青さ、沖を航走る貨物船。
そして、訳もなく、血わき肉躍る感じ。
あと何回、私はこうして夏を感じていられるのだろうか。
息子の記憶の中に、小さな頃の夏の思い出を沢山作ってあげたいと思う。
私がそうであるように、後年、それがかけがえのないものとなるに違いないから。
写真上 市江崎荘の部屋からの眺め
中 みんなで釣りを楽しむ
下 紀勢本線椿駅 これから東京に向けて帰路につく。