8月9日〜25日
家族が東京に戻ってから、私も休暇をとることにした。平日4日+週末の2日の6連休。だが、たまった仕事を片付けるのはこの連休しかない、しかし休暇をとって出勤するのもばかばかしい、ということで、一計を案じた。
札幌郊外の高原のホテルで缶詰になって仕事を片付ける。
お盆の時期にもかかわらず、幸い1泊7000円で露天風呂つきのホテルが2泊確保できた。札幌から送迎バスもあり、便利。
気が散らないように仕事に関係する書類だけをかばんに詰め込んで送迎バスに乗り込んだ。
お金を払って仕事するのも変な気分だが、休暇と両立させるためには致し方ない。
朝夕の露天風呂と朝のバイキングだけを楽しみに、仕事に励む。
この缶詰のおかげで、400字詰め原稿用紙20枚の論文を一本書き上げた。やれやれ。
札幌に戻り、夕方の飛行機で大阪へ。
鎌倉から来た家族と関西空港で落ち合う。
翌日から母、弟一家と南紀白浜町の海へ。
我が家の毎年夏の年中行事だ。
病の父に遭えなかったのが残念で心残りであるが、休暇ゆっくり楽しんだ、、、と
言いたいが、今年は3日の和歌山行きの真ん中に高校時代の水泳部の同窓会が挟まっていて、和歌山に行った翌日、私だけもう一度自宅近くの高校まで舞い戻った。
20年ぶりの同窓会。
懐かしいプール。
考えてみると、ここでひたすら泳いだ日々から、夢のように30年という年月が流れたのだ。
感慨深い、というより恐ろしい。プールとプールから眺める景色は全く変わっていなかったが・・・
もう一度南紀の海に舞い戻る。
白浜駅からタクシーで6000円もかかってしまったが。
翌朝からもう一度海へ。
潜ったり泳いだり、のんびりした時間を過ごす。
「歩くのが大変になってきた。来年はお父さんと一緒に留守番かな」
72歳になった母が言う。
私が初めてこの海にやってきたのは8歳のとき。40年前だ。
父は38歳。母は34歳。
私をしっかり守ってくれる頼りがいのある父であり、母であった。
今の私のほうが年取っているのだ。
夕日の中で釣りを楽しんでいる子供たちのシルエットが浮かんでいる。
明日の今頃は家族とは別になって、もう札幌にいるはずだ。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
大切な人たちとの時間も。