死を体験することで生の意味を知る旅

このブログの傾向からわかると思うのですが、実は若いころから死生学、というか、生と死について深く考えることが多く、特にホスピスについて深い関心を持ってきた。

横浜市の公民館の講座で、ホスピスのボランティアのために開発されたプログラムがあったので参加してみた。

ホスピスに入所してくる人たちは、回復するための治療を諦めて、死までの時間を痛みを抑え、できるだけ有意義に過ごせるようにとやってくる。それは、いろいろある人生の夢ややりたいこと、日頃大切にしていることをあきらめる、段々とそれらを捨てていく、というプロセスである。

参加者はコーディネーターの声に導かれて、癌を疑って病院を受診するところから病状が段々悪化し、ホスピスに移り死を待ち、そして自分が死ぬ瞬間までを疑似体験していく。その段階ごとに少しずつ自分が大切にしているものを「捨てて」いった。

その中で感じたのは、自分が死ぬ瞬間まで大事にしたいことは実に平凡なことなのだ、ということ、死を前にしている人に対して、どんな言葉をかければ良いのか、ということ。(「また元気になったら会いましょう」という見舞いの人の言葉がとても白々しく聞こえた。もう2度と会うことはないと分かっているなら、正面からそれを受け止めて話してほしい)。

人生は短い。やれるときにやりたいことはやっておかねば、と思ったのと、ターミナルケアの奥の深さを改めて感じた。