ウクライナ・民族建築、生活博物館

ぺチョーラ修道院を出て路線バスでホテルに向かう。1人30円くらいで大変に安い。

美術館のカフェで一服し、市内散歩。古い寺院がそこかしこにあり、ドニエプル川の眺めを見ながら歩く。

アンドレイ寺院脇のアンドレイ坂は、両側に土産物屋が並び冷やかして歩くだけで楽しい。

妻は伝統的な刺繍の入った民族衣装とテーブルクロスを購入。私はウクライナのサッカー有名選手シェフチェンコの名前と背番号が入ったTシャツを購入したが、よく考えてみればモスクワではこれは着られない。

夜はウクライナ国立美術館で素朴な農村風景の絵を楽しんだ後、セルフサービスのウクライナ料理でボルシチキエフ風カツレツを食べる。


翌朝、ウラジミール寺院へ。実はウクライナに来たのはここの壁画をどうしても見ておきたい、という私の願いから。

私の大好きなバシネツォフの宗教画を堪能するが、一番見たい絵がどうしても見つからない。画集を持ってくるべきだった。

それでも、ここは大好きな画家の絵で壁が埋めつくされた教会。
時間が経つのを忘れて見入ってしまう。

私があまり絵のことを熱心に話すので、タクシーの運転手は、「あんたは画家なのか?」と聞いてくる。運転手は昨日駅で会ったサーシャ。いい運転手だったので今日も来てもらったのだ。

サラリーマンだよ、と答えると、年収はいくらくらいか、日本では新車のカムリはいくらするのか、といろいろ聞いてくる。

「うちの息子は大学を卒業してIT企業に勤めているが、月500ドルしかもらえない。運転手のオレの方が多いさ」というので、「それはちょっと大変だな」と相槌を打つと、肩をすくめて「ちょっとどころじゃないよ、大いに、だよ」と言う。

ちなみに、4時間余り、車をチャーターして、50ドル程度だった。モスクワより2ー3割安い。

午後は、サーシャの勧めに従い、ナチスドイツとの戦争を展示した大祖国戦争博物館の庭で戦車やミサイルを積んだトラック、戦闘用ヘリを見学した後、郊外の民族建築と生活博物館へ。

茫漠とした草原に、ぽつぽつ昔ながらの建築の建物が保存されている。

木造の教会や学校、民家などを巡りながらそぞろ歩く。あちこちにある風車が趣を添えている。晴れていればもっと素晴らしかっただろうに、と思うと残念。


博物館に入って一時間半が過ぎた。

そろそろボリスビリ国際空港に向かう時間だ。

ウクライナ。落ち着いたいい国だった。

機会があれば、今回の赴任中に黒海の美しい港湾都市オデッサや、チェコに近い西部地域のリビウ、クリミア半島のヤルタあたりにも是非行ってみたいものだ。




写真上 展望台からのドニエプル川
  中 民族建築、生活博物館
  下 夕暮れのキエフ市内