モスクワにいる、ということ

夕方四時半。東京に電話すると、「打ち合わせ中です」と言われたので、終わったら電話ください、と言って電話を切った。日本時間は午後10時半のはず。

東京は大変だな、と思いながら電話を待つがいっこうにかかってこない。

そのまま夜9時ごろに退社。どうしたのかな、メモが伝わらなかったのか、と思いながら。

地下鉄に乗って夜9時半ごろ自宅に着くと寝る前の子どもにおやすみ、と言って夕食。

妻といろいろと話をする。

翌朝、出社すると、昨日話したかった相手からメールが入っていた。

「電話できなくてすみません。もうお帰りのようですね。明日かけなおします」

発信時間をみると、日本時間の朝4時。

今は朝9時、日本時間は3時。このメールを打った彼は、今頃午後の仕事の真っ最中なのだろう。

そう考えると、受話器にかけた手が止まる。

ロシア生活通算5年。そろそろ東京に帰りたい、と思う時もある。


でも待っているのは、こんなクレイジーな日々かと思うと、怯んでしまう。

子どもが起きている時間に帰宅するなど、東京ではありえない。

20年近く、自分が当然のように過ごしてきた、当たり前の日常の日々であるが。

うーん。どうしたものか。