モスクワの日常へ

やっと旅日記の整理が終わってやれやれ。もう旅から帰ってはや1か月が過ぎている。

この間のモスクワは厳冬。ほとんど毎朝、氷点下10度を切る毎日で、何回か道路で滑って危険な目に会ったので、朝はタクシー通勤にした。まあ年中乗っているわけじゃないし無理して地下鉄駅まで歩いて怪我をしてもつまらない。

2月の声を聞いて、そろそろ自分の帰国の時期が気になりだした。

予定では7月。でも私が予定通り帰国するためには後任者が決まっている必要があるが、未だ「後任者が決まったよ」との話は東京から聞こえてこない。

東京から何も便りがない、とぼやいていると上司のオランダ人は、「お前、もう少し長くここにいろよ。東京に手紙を書いてやろうか」。と言うので、私は答えに窮して、「No thank you. I am trusting providence」とごまかした。私の座右の銘「運を天に任せる」の英訳を覚えておいてよかった。

帰りたいような、帰りたくないような。

私も凡人だから、かつての仲間や部下の日本での昇進の報を聞くと、心が波立たないわけじゃない。でも、現場の第一線で、自分の仕事相手とのやり取りの中に手応えを感じる今の仕事は楽しいし、ほぼ毎日、息子が起きているうちに帰宅しできる毎日も捨てがたい。短い休暇でもあれば、大好きな欧州にすぐ飛んでいける環境も最高だ。

やっぱり。運を天に任せるしかないな。

どっちに転んでもいずれにしても天が私に与えた仕事。

着実にこなしていくのみだ。

(下の写真は自宅から見える発電所。モスクワの公害の象徴だが、早朝、氷点下20℃を越える寒さの中で、もくもくと煙を吐く姿は人間の力強さを感じて好きだ。)