2009-01-01から1年間の記事一覧

セメイスキエの村を訪ねて

昼食後は、18世紀に造られた、ロシア正教から分派した古儀式派の村(セメイスキー。「セミヤ」は家族の意)を訪問した。 200年以上、守られてきた彼らの独自の文化、言語はユネスコの無形世界遺産に指定されている。 村に到着すると、美しい民族衣装に…

即身仏の寺院

さて、いよいよウランウデに到着、ビィクトルと固い握手をしていると、車掌のターニャが「ウランウデよ。下車の準備はいいわね。」と部屋を訪ねてきた。ちゃんと彼女、私の下車駅をチェックしていたのだ。 彼女にも別れを告げ、下車。 この列車、私がウラン…

温かな人間のにおい

翌朝、気がつくと、9室、18名定員のこの車両は、私とビクトル以外、全員が下車してしまっていた。2人の乗客に2人の車掌。ビクトルと車掌はよく世間話をしている。 ともかくいけども行けども広大な原野。 線路脇に100メートルごとにキロポストがあり…

車中にて

1等寝台はほぼ満席。この車両は2人の女性車掌が12時間交代で勤務している。非番の車掌は車掌室の隣の寝台で仮眠をとっているらしい。 窓の外は広大な原野、そして、山、川。 日本からの文庫本2冊はあっと言う間に読んでしまう。 ビクトルは日産車に乗っ…

 シベリア鉄道へ

ハバロフスのスーパーで日本のカップラーメンやインスタントみそ汁などを買い込み、ハバロフスク駅に向かう。 12日からの三日はロシアの休日。仕事が終わったのでモスクワに帰ってもよいのだが、私はこの三日を利用してシベリア鉄道に乗ることにした。 シ…

ハバロフスク

ウラジオストックの「海の駅」は、小雨模様だった。 ホームで、先程まで会議で一緒だったハバロフスクの研究者に会った。これから一緒の列車でハバロフスクですね、と言いながら、ハバロフスク行きの「オケアン号(英語では「Ocean号」)」の寝台車に乗り…

ビシュケクにて

話はイスタンプールより遡るが、2月末、キルギス共和国の首都、ビシュケクに出張した。午前5時、ビシュケクの空港に到着したときはまだ真っ暗だった。モスクワから4時間。モスクワ時間ではまだ午前2時だからとにかく眠い。モスクワを飛び立ったのが午後1…

突然の春

「目が覚めたら、自分が虫になっているのに気づいた」 というのは、有名なカフカの「変身」だが、先週、同じような体験をした。 とにかく、体が硬直してベットから起き上がれない。手を動かす気力もない。全身が脱力状態で、ぼぉーとした頭の中で、この「変…

セマーを見る

イスタンブール2日目の夜は、国鉄スィルケジ駅構内で、イスラム神秘主義に属するといわれるメヴィラーナ教団のセマー(旋舞)を見た。もっともこの教団は異端ゆえ、トルコでは宗教行為ではなく、旋舞を観光として解禁していると聞いた。 それは夜7時半。天井…

イスタンブール人間模様2

「はい」と私は頷いた。 「どちらからですか」 「モスクワからです。こちらにお住まいですか?」 「はい。二年位になります。」 「駐在員の方ですか。」 「いいえ。実はイスタンブールのお店で働いてまして。よかったらいかがですか」 意外な展開に一瞬考え、…

イスタンブール人間模様1

話は前後するが、3月の3連休にイスタンブールを訪ねた。私の大好きな歴史モノが沢山見られることを大いに期待していたが、そこで出会ったのは、人なつっこい人たち。息子はあちこちで頭をなでられ、ほっぺたをさわられたり、「リトルサムライ!」と声をかけ…

イルクーツクにて

バイカル湖から戻ってイルクーツク市内へ。 市内のアンガラ川に面した公園に行くと、鉄柵に多くのカギが取り付けられている。 「これは何ですか?」 とマリーナさんに聞くと、おかしそうに笑って、「結婚式の名所よ」と教えてくれた。 ははあ、結婚式で永遠の…

氷のバイカル

夜のウラジオ空港を発って、ハバロフスク経由でイルクーツクに向かう。ロシア製の飛行機かと思ったらエアバスだった。こんな極東のローカル航空でもロシア製の飛行機が駆逐されているのに驚いた。深夜1時にイルクーツクに到着する。我々のカウンターパート…

光のウラジオストック

ウラジオストックは、15年前、私が初めてロシアに踏み入れた場所だ。 前回は新潟から国際線のツポレフ機で1時間半。 今回はモスクワからアエロフロート国内便で9時間。 夕方、雪のモスクワを発って翌朝、ウラジオストック空港に降り立つと、暖かい春の風…

夏時間

日曜日の午前2時になろうとしたとき、早く寝よう、と思いつつ、深夜にパソコンを操作していると、パソコンに表示されているアナログ時計が突然、1時間進んだ。思いだした、今日から夏時間だ。家中のすべての時計の針を1時間進める。何か損した気分だ。午…

偶然の「くるみ割り人形」

春休みで妻子が日本に帰国して二度目の休日。自宅で仕事をしようとしたがあまり天気が良いので落ち着かない。仕事はやめにして、外出することにした。地下鉄に乗って、大好きな画家、バシネツォフの家博物館を訪ねることにした。ところが、博物館に入ろうと…

女性の日

3月8日は、国際婦人デーでロシアの祝日。今年は日曜日なので月曜日が振替休日で三連休だ。 その直前のウィークデーの金曜日、職場で女性の日を祝った。 その週は週の初めから準備でみんな浮足立っていた。 男性社員で構成する「婦人デー企画委員会」が発足し…

突然の晴れ間

22年前、大学3年の春休み。 ちょうど春分の日。 京都からふらっと列車に乗り、旅に出た。 まず天橋立へ。東京から来たという若い女性と一緒に砂州を歩く。傘松公園から「股のぞき」で天橋立を鑑賞。夕方、駅で手を振って「じゃあ、またどこかで会いましょう…