ロシアの旅

サハリン明滅

話しは前後するが、3月末、サハリンに出張した。ロシアに5年駐在した私も、サハリンの地を踏んだのは初めての経験だった。新千歳空港から「オーロラ航空」に揺られてたった1時間でユジノサハリンスク空港に到着する。なーんだ。羽田より近いじゃなか。考え…

3月11日〜18日 光のウラジオストク

13日から16日まで、ウラジオストックに滞在した。経度的には広島と同じ位なのに、2時間も時差があり、ウラジオの方が早いため、午前8時でも暗く、日が暮れるのも午後8時ごろ。20年前にはじめて来た時には田舎の駅のようにボロかったウラジオストク空港が、…

メシニコフ宮殿

ネバ川沿いの道を歩きながら次の目的地、メンシコフ宮殿に向かう。 「地球の歩き方」には、ピロシキ売りから身を起こし、ピョートル大帝の側近として権勢を奮い、ピョートルの死後はシベリア流刑になり波乱の生涯を遂げた男、とある。 この宮殿は、メンシコ…

ネフスキー修道院

昨日は、夜行列車明けで精力的に歩き回りすぎたせいか、ノブゴロド観光は途中でバテてしまい、少し予定を早めて15時発のサンクトペテルブルク行きのバスに乗り込んだ。 サンクトペテルブルクの駅前の一泊1000ルーブル(3000円)の安ホテルでぐっすり…

野外博物館

さて、まだ朝9時過ぎ。博物館やその他の教会が開くまでかなり時間があるので、その間に郊外の野外博物館と教会を訪ねることとした。 クレムリン前のバス停から郊外へ。 5分ほど走れば、もう地平線が見えるような郊外にまで来てしまった。 それにしても、朝…

ソフィア聖堂

朝、定刻の6時10分に遅れること数分。ノブゴロドに到着した。 駅前のバスステーションで取りあえず夕方のサンクトペテルブルク行きのチケットを予約し、近くの食堂で朝食を取る。 ようやく明るくなり始めたばかりの街を、クレムリン目指して歩く。 ときどき…

ノブゴロドへ

モスクワ・レニングラード駅を定刻の21時50分に発車した、のだろう、ノブゴロド行き42列車だ。 4人コンパートメントの下の席。上の席は若い女性。向かいの2段は中年夫婦だった。 同室に女性がいる場合は着替えのためにいったん部屋を出るのが礼儀、…

蒼い湖面を航く

バイカル湖をフィールドにしている研究所を訪問し、打ち合わせること2時間、今後の協力の強化を誓い合って席を立とうとしたら、研究所長が、「船に乗って行かないか」という。 聞けばこの研究所のバイカル湖の調査船の船が夕方、調査のために出航するらしい…

バイカル湖との再会

私たちの会議も無事終わり、ホテルに戻る道は、前日と打って変わって素晴らしい快晴だった。 時間があったので博物館に立ち寄り、4月に来た時に出会ったバイカルアザラシ君に再会する。お腹を上にして泳いでみたり、水槽中に置かれている鉄の輪をくぐる芸当…

バイカル湖畔の村

イルクーツク空港から、1時間、バイカル湖のほとりに建つリストピャンカ村のホテルにチェックインする。朝7時。モスクワ時間は午前2時で、そのせいかとても眠い。 部屋で2時間ほどまどろみ、起きだして明日からの会議の資料の下読みや自分の発言メモをタ…

モスクワ空港ドタバタ・ハラハラ

土曜日の夕方、国内出張のためにタクシーを呼び、シェレメチボ第一空港に向かった。車に揺られているうちにほどなく眠くなり・・・ふっと気がつくと車が止まっている。 もう空港に着いたのか、と思って目をこすると大渋滞・・・土曜日の夕方、しかも郊外方面…

コストロマにて

モスクワははや秋の気配。朝夕は10℃近くまで冷え込んできた。本格的に寒くなる前に、黄金の環に行っておきたい、と考え、夜行列車の切符をほとんど衝動買いし、金曜の夜出発、日曜日の朝モスクワ帰りという強行日程で、モスクワから500キロほど東の、ロ…

セメイスキエの村を訪ねて

昼食後は、18世紀に造られた、ロシア正教から分派した古儀式派の村(セメイスキー。「セミヤ」は家族の意)を訪問した。 200年以上、守られてきた彼らの独自の文化、言語はユネスコの無形世界遺産に指定されている。 村に到着すると、美しい民族衣装に…

即身仏の寺院

さて、いよいよウランウデに到着、ビィクトルと固い握手をしていると、車掌のターニャが「ウランウデよ。下車の準備はいいわね。」と部屋を訪ねてきた。ちゃんと彼女、私の下車駅をチェックしていたのだ。 彼女にも別れを告げ、下車。 この列車、私がウラン…

温かな人間のにおい

翌朝、気がつくと、9室、18名定員のこの車両は、私とビクトル以外、全員が下車してしまっていた。2人の乗客に2人の車掌。ビクトルと車掌はよく世間話をしている。 ともかくいけども行けども広大な原野。 線路脇に100メートルごとにキロポストがあり…

車中にて

1等寝台はほぼ満席。この車両は2人の女性車掌が12時間交代で勤務している。非番の車掌は車掌室の隣の寝台で仮眠をとっているらしい。 窓の外は広大な原野、そして、山、川。 日本からの文庫本2冊はあっと言う間に読んでしまう。 ビクトルは日産車に乗っ…

 シベリア鉄道へ

ハバロフスのスーパーで日本のカップラーメンやインスタントみそ汁などを買い込み、ハバロフスク駅に向かう。 12日からの三日はロシアの休日。仕事が終わったのでモスクワに帰ってもよいのだが、私はこの三日を利用してシベリア鉄道に乗ることにした。 シ…

ハバロフスク

ウラジオストックの「海の駅」は、小雨模様だった。 ホームで、先程まで会議で一緒だったハバロフスクの研究者に会った。これから一緒の列車でハバロフスクですね、と言いながら、ハバロフスク行きの「オケアン号(英語では「Ocean号」)」の寝台車に乗り…

イルクーツクにて

バイカル湖から戻ってイルクーツク市内へ。 市内のアンガラ川に面した公園に行くと、鉄柵に多くのカギが取り付けられている。 「これは何ですか?」 とマリーナさんに聞くと、おかしそうに笑って、「結婚式の名所よ」と教えてくれた。 ははあ、結婚式で永遠の…

氷のバイカル

夜のウラジオ空港を発って、ハバロフスク経由でイルクーツクに向かう。ロシア製の飛行機かと思ったらエアバスだった。こんな極東のローカル航空でもロシア製の飛行機が駆逐されているのに驚いた。深夜1時にイルクーツクに到着する。我々のカウンターパート…

光のウラジオストック

ウラジオストックは、15年前、私が初めてロシアに踏み入れた場所だ。 前回は新潟から国際線のツポレフ機で1時間半。 今回はモスクワからアエロフロート国内便で9時間。 夕方、雪のモスクワを発って翌朝、ウラジオストック空港に降り立つと、暖かい春の風…